現世に戻って復讐したいんだろ?――“魅”せてみろよ、お前らのメタルを。
――世界のどこかで、8人の若者が死亡した。
新たに目を覚ました場所は、強い未練を持って死んだ者だけが辿り着く、
現世(このよ)と幽世(あのよ)の狭間の世界『クロスロード』。
その世界に、
退廃的で暴力に満ちた街、
『デッドライトシティ』は造り上げられていた。
そこに在るのは、
現世に未練を持ちながら、望みを失った住人。
メタルを崇拝する異様な教団。
そして唯一神、ヴァル。
ある日、8人の若者の元に、“ヴァルカ”という神の使いを名乗る者が現れる。
ヴァルカは彼らの現世に対する想いを見定め、とある選択を迫った。
俺と神の音楽をやるか。
復讐を忘れてこの街で腐っていくか。
神に選ばれた至高のメタルバンドは、現世へと帰還する権利を得るのだという。
その為に、この世界では日々多数のバンドが競い、争っている。
接点のなかった8人の若者は、やがてヴァルカの働きかけにより、
メタルバンド『Venomous 8』を結成。
ヴァルカがマネージャーをしている、
芸能プロダクション「VUL PRODUCTIONS」の所属バンドとして活動を始めた。
彼らにとって唯一の共通点は“復讐”――
彼らはメタルにのせた感情を叫び、やがて伝説となるバンドの歴史を紡ぎ始める。
いつか現世へ還り、復讐を遂げるのだと、心に黒い炎を宿しながら――